焔Maison Homura
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五 · 6点

布の棚

布は、つくる前に文様が決まっている唯一の手仕事です。糸を計り、括り、染め、数える。機は、糸がすでに知っていることを置いていくだけ。

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一

少女と白い斑点

久留米の井上伝は十二歳のとき、洗いざらした藍の着物に白い斑点があるのに気づきました。着物をほどき、染める前に糸を括って同じ斑点を出し、織ってみせた。これが絣。文様は布の上ではなく、糸の中にあります。

三十代の終わりには、弟子が千人を超えていたといいます。久留米絣はいまも手で括り、何度も藍に浸けて染める。文様の縁がわずかにかすれる、それが手の証しです。

二

鳴る帯

一二四一年、博多の商人・満田弥三右衛門が宋から織りの技を持ち帰りました。そこから育った博多織は固く締まり、帯を締めれば一日ゆるまず、引けば絹がキュッと鳴る。絹鳴りといいます。

武士が締め、いまも力士が締める。黒田の殿さまは、仏具の独鈷を織り出した博多織を将軍に献上しました。その献上柄は、いまも織られています。

三

ひと針ずつの温もり

北の津軽では、農民に木綿の着物が許されていませんでした。風の通る麻の上に、女たちは木綿の糸を一目ずつ数えて刺した。こぎん刺しは布を暖かく丈夫にし、美しくするほとんど唯一の手立てでした。

風呂敷は、湯屋で衣を包み、広げて敷いた布から。同じ一枚がいまは贈り物を運び、結び目までが贈り物の一部になります。

風呂敷、帯、藍の絣、絹の人形。文様は糸のうちに決めておく。
05五

布

織る前に染める。文様は糸のうちに決めておかねばならない。

博多織
博多織博多織福岡
久留米絣
久留米絣久留米絣福岡・久留米
木目込雛
木目込雛木目込雛東京
友禅
友禅友禅京都
こぎん刺し
こぎん刺しこぎん刺し青森・津軽
風呂敷
風呂敷風呂敷日本各地
この家の本業

探しものを承ります

お探しのものをお聞かせください。現物がある国に住んでいますので、こちらから見に行きます。

  1. ご希望を伺う何をお探しか、おおよその予算、期日があればその日。曖昧で構いません。「娘が生まれた年の干支の土鈴」——それだけで始められます。
  2. 探しに行く朝市、付き合いのある業者、市、そして家を片づけている家。その週に出てくることもあれば、何か月もかかることもあり、とうとう出てこないこともあります。
  3. ご判断いただく昼の光で撮った写真、寸法、欠けも含めて正直に書いた状態、そしてお手元に届くまでの総額。違うと思われたらそう仰ってください。それで終わりです。
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紙

目を入れずに売られ、わざと倒され、年が明けると焼かれて、また買われる。

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福岡
博多織

博多織

福岡 · 一二四一年以来この地で

緩まない帯。評判はその一点に尽きる。

一二三五年、博多の商人・満田弥三右衛門が僧・円爾とともに宋へ渡った。六年後に織りの技を持ち帰り、その家は以後二百年をかけて、ひたすら密に織る方へ進んだ。

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福岡・久留米
久留米絣

久留米絣

福岡・久留米 · 一八〇〇年頃から

着古した布を見ていた十二の娘が、考えついた。

一八〇〇年頃、久留米の井上伝という娘が古い藍の着物をほどき、擦り切れた所で糸が白く飛んでいるのに気づいた。そこから逆に考えた——織る前の糸に、あの白を意図して入れておけば、織り上がったときに文様が現れるはずだ。

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東京
木目込雛

木目込雛

東京 · 一七三〇年代から

十二単の重ねが幾重にも。そのどこにも縫い目がない。

一七三〇年代、京の賀茂神社の大工が、余った柳の木で小さな人形を彫り、溝を切り、そこに神社の錦の端切れを押し込んだ。縫わず、端も見えない。賀茂人形と呼ばれ、やがて江戸へ渡った。

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京都
友禅

友禅

京都 · 十七世紀末から

扇絵師が、色と色の混じるのを止める方法を見つけた。絹が画布になった。

十七世紀の末まで、絹は染められても描けなかった。濡れた色は繊維を伝って広がり、境目はすべて濁る。それを解いたのが京の扇絵師・宮崎友禅斎で、答えは米の糊だった。

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青森・津軽
こぎん刺し

こぎん刺し

青森・津軽 · 江戸期、必要から生まれた

木綿を着ることを禁じられた。だから木綿を麻に刺した。

江戸期の津軽では、農民が木綿を着ることを藩が禁じていた。許されたのは麻である。北国の麻は目が粗く、寒い。ただし木綿の「布」と木綿の「糸」は別ものであり、糸なら手に入った。

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日本各地
風呂敷

風呂敷

日本各地 · 室町期に名が定まる

風呂で敷いた布。その上で脱ぎ、脱いだものを包んだ。

室町の風呂屋では、床に布を敷き、その上で衣を脱ぎ、湯に入るあいだ結んでまとめておいた。風呂に敷く。習慣のほうは五百年前に消え、名だけが残った。

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