風呂で敷いた布。その上で脱ぎ、脱いだものを包んだ。

室町の風呂屋では、床に布を敷き、その上で衣を脱ぎ、湯に入るあいだ結んでまとめておいた。風呂に敷く。習慣のほうは五百年前に消え、名だけが残った。
残ったのは、用途の決まっていない一枚の正方形である。そしてそれが、家の中でいちばん役に立つものだった。袋にも、包みにも、荷にも、座布団にも、日除けにもなる。かたちは結び方が決め、結び方には名前がある。


型か手で染める。多くは藍。
正方に裁つ。寸法は包むものが決める。棚が決めるのではない。
四辺を縫う。どの辺も結び目になるからである。
最後の一手は使う人のもの。結び方には名前がある。
贈り物を包んで差し出し、開けてもらい、布は受け取って帰る。包みは贈り物の一部ではない。持ち主とともに帰り、次にまた使われる。
当家でも使っている。木綿一枚で足りるなら、この家から袋に入って出てゆくものはない。





品は日本で一点ずつ探し、出品する前に撮ります。お探しのものをお書きください。それに応えるものが入りましたら、お知らせします。
お知らせすることがある時だけお送りします。月に二度のこともあれば、何もない月もあります。
承りました。入り次第ご連絡します。