色を染めたところは一つもありません。色の数だけ、木の種類があります。

この部屋で唯一、彫らないものです。組む。木を細く挽き、四角に削り、木口を合わせて貼り重ね、文様が板の表面ではなく 素地そのものに、端から端まで通るまで積み上げていく。
そして染めも塗りもありません。生成りの白は水木、緑がかった灰は朴、黄は桑、赤は蘇芳、茶は胡桃、黒に近いのは神代欅——土中に数百年埋もれてひとりでにその色になった欅です。箱根は狭い山あいに樹種が異様に多い。この仕事がほかでもなくここにある理由は、意匠の伝統ではなく、それです。


色の違う木を細い棒に挽く。染めることはしない。
棒を寄せて接ぎ、木口が文様になるよう塊にする。
塊をさらに寄せ、文様を繰り返す種板にする。
紙より薄く削り出し、箱に貼る。
貼り合わせた種木から、職人は大きな鉋で薄板を削り出します。ヅクといい、透けるほど薄く、それを箱に巻きつける。もう一つはムクで、種木をそのまま切り出す。文様が表面に貼られているのではなく、器物を貫いていることになります。
よく知られた形は秘密箱で、明治にこの村で考え出されました。板が決まった順に滑るだけで、鍵穴も掛け金も、こじ開けるところもない。並のもので四回、七回。五十四回まで作られ、その先の数はもう挑戦状に近い。
はじまりは土産物です。畑宿は旧東海道の、箱根の関所のすぐ下にあります。京と江戸を行き来する者は誰もがそこで止まり、待たされた。手持ち無沙汰の人がいたからできた仕事——それは格の低い仕事ではなく、ただ正直な仕事です。





畑宿は旧東海道沿いの一つの集落で、箱根の関所へ登るすぐ手前にあります。京と江戸を行き来する者が誰でも止められ、待たされた場所です。この仕事は土産物の商いで、天保年間に始まったときからずっとそうです。
品は日本で一点ずつ探し、出品する前に撮ります。お探しのものをお書きください。それに応えるものが入りましたら、お知らせします。
お知らせすることがある時だけお送りします。月に二度のこともあれば、何もない月もあります。
承りました。入り次第ご連絡します。