内側に釉がありません。手抜きではなく、それが要です。

常滑は愛知の知多半島にあり、その土は鉄分が多く、焼けば何をつくっても赤くなります。六古窯のなかで最も古く、そして群を抜いて大きい。平安末期にはこの丘に三千基ともいわれる窯が散らばり、大甕を焼いては船で沿岸へ送り出していました。
いま町の名で通っているのは、もっと小さなものです。注ぎ口と直角に把手のつく急須。これは新しく、明治に中国から金士恒が招かれ、宜興の無釉赤土の仕事を土地の者に教えました。以来、赤い小さな急須が常滑の仕事です。


鉄分の多い朱泥。この色も、釉をかけない理由も、この土から来る。
胴、注ぎ口、把手を別に挽いて、後で継ぐ。
乾ききる前に、内側から茶漉しの穴を一つずつ開ける。
釉なしで焼き締める。鉄が茶の渋みを丸くする。
肝心なのは「ない」もののほうです。内側に釉がかかっていません。むき出しの土の鉄が茶の渋と出会う——煎茶の苦みの角が取れる、と日本の茶飲みは言います。信じるかどうかは別として、器のほうは確かに変わります。何百煎か重ねると内側は黒ずみ、外側は手に触れられて柔らかい艶を帯び、買ったときの急須ではなくなっている。
ですから洗剤で洗ってはいけません。湯ですすいで、乾かす。洗剤で磨き上げられた常滑の急須は、振り出しに戻されたのと同じです。
そして町はもう一つ、はるかに大量につくり続けているものがあります。土管です。常滑には土管坂という坂道があり、擁壁が積んだ土管と焼酎瓶でできている。この家にあるもののなかでいちばん高価でないもので、そしていちばん良いもののひとつです。





鉄分の赤い土の上に立つ半島の町で、六古窯のうち最も古い窯です。十二世紀の盛時にはこの丘に三千基ともいわれる窯があり、焼かれた大甕は沿岸の船が行くところすべてへ渡りました。常滑の甕は日本じゅうから出土します。
品は日本で一点ずつ探し、出品する前に撮ります。お探しのものをお書きください。それに応えるものが入りましたら、お知らせします。
お知らせすることがある時だけお送りします。月に二度のこともあれば、何もない月もあります。
承りました。入り次第ご連絡します。