偶然にゆだねたところは、ひとつもありません。髭の一本まで。

九谷は信楽と正反対の気質です。並べて置くのは、そのためです。
まず焼く。それから描く——緑、黄、赤、紫、紺青。九谷五彩です。そして低い温度でもう一度焼き、絵具を漆のような厚みで器の上に載せます。九谷の皿を指でなぞると、絵が釉のうえに立っているのがわかります。


型で抜いた土をまず素焼きにする。白い生地のまま、色はまだ載らない。
文様の輪郭を、細筆で黒褐色の顔料により一本ずつ描き起こす。
釉の上から九谷の五彩を差す。緑・黄・赤・紫・紺青。
最後に金線と金箔を置き、低い温度でもう一度焼き付ける。
火のあとに色が載るので、窯にゆだねるものが何もありません。九谷の獅子は、たまたま獅子になったのではない。ごく細い筆を持った人が、髭の一本まで、そう決めた獅子です。
獅子そのものは守り神です。唐獅子は社の門に一対で座り、一方は口を開け、一方は閉じている——最初の音と最後の音、万物のはじまりとおわり。屋内では、場を整えるために据えられます。





明暦元年、加賀藩の山間の村で開いた窯です。そして——理由はいまも論の分かれるところですが——享保のころに閉じ、八十年ほど閉じたままでした。この最初の時期のものを古九谷と呼び、数はごくわずかです。
品は日本で一点ずつ探し、出品する前に撮ります。お探しのものをお書きください。それに応えるものが入りましたら、お知らせします。
お知らせすることがある時だけお送りします。月に二度のこともあれば、何もない月もあります。
承りました。入り次第ご連絡します。