焔Maison Homura
1835
三 · 木 — 石川県金沢市

加賀人形

あの白は絵具ではない。貝を挽いて、十度も重ねた粉である。

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加賀人形 — 石川県金沢市
石川県金沢市 · 江戸期から

金沢は前田家の城下町である。徳川に次ぐ大身であり、加賀百万石という言葉がいまも残る。それだけの米を背にした家は、職人に急ぐことを求めなかった。金箔、九谷、加賀友禅、そしてこの人形。

胴は彫らない。桐を粉に挽き、糊で練って桐塑とし、型で抜く。細い稜がきれいに立ち、季節で割れることもない。彫った一木にはできないことである。

加賀人形 — 左
左から
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作りの順
  1. 桐塑Tōso

    桐の粉を糊で練った桐塑を型で抜き、固く乾かす。

  2. 胡粉塗りGofun-nuri

    貝殻を挽いた胡粉を膠で溶き、薄く塗り重ねる。十度をこえる。

  3. 研ぎ出しTogidashi

    一層ごとに研いでから次を塗る。肌はここで生まれる。

  4. 面相Mensō

    最後に面相筆で顔を描く。毛数本の筆である。

そこへ白を置く。胡粉は貝殻の粉で、膠で溶いて薄く塗る。十度、あるいはそれ以上。一層ごとに研いでから次を塗る。だから顔に表面ではなく奥行きが生まれ、絵具ではなく肌のように光を返す。

主題はたいてい子どもである。遊んでいる最中、動きの途中で止まっている。この一体は加賀獅子の獅子頭を抱えている。金沢の獅子舞は行列ではない。棒振りが獅子に向かい、町なかで組み合う。

顔は最後に描く。毛数本の面相筆で。ここで、それまでのすべてが決まる。

加賀人形 — 右
右から
ひと回りして見る
加賀人形 — 正面加賀人形 — 左加賀人形 — 背面加賀人形 — 右
覚え書き
胴
桐塑——桐の粉と糊、型抜き
白
胡粉——貝殻の粉を膠で。十度以上
層のあいだ
毎回、研ぎ出す
主題
ほとんどが子ども
なぜ金沢か
前田家の庇護。徳川に次ぐ大身
産地について

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