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備前は、釉薬を使わない窯です。器は裸のまま火に入り、装われて出てきます。見えている色は、塗ったものでも掛けたものでもありません。焼きついたものです。
火の仕事にはそれぞれ名があります。胡麻——焼成中に肩へ降った松の灰が溶け、玉のような緑褐色の斑になったもの。緋襷——巻きつけた稲藁が燃え尽き、土に緋色の線を残したもの。桟切——炭に埋もれ、空気の届かなかったところが灰青から黒に変わったもの。

こうした品は、入っては出ていきます。見つけた品の多くは、ネットには出しません。
Etsyのレビュー ★5.0・スターセラー ↗ご予算とご用途を選ぶだけで結構です。見つかった品の写真と状態、お値段をお送りします。
承りました。いただいた宛先にお返事いたします。
送れませんでした。少ししてからもう一度お試しください。

田の底から掘った土を、年単位で寝かせる。
轆轤で挽く。釉薬は最後までかけない。
藁や貝を添えて詰める。焼けば器に跡が残る。
赤松で十日から二週間。降りかかる灰だけが釉になる。
どれも注文できません。作り手が決められるのは、窯のどこに置くか、どう詰めるかだけ。あとは赤松を十日から二週間くべつづけて、待つ。思っていたより良いものが出ることもあり、駄目になることもあります。
土は干寄せ。伊部の田の下から掘り、何年も寝かせてから挽く、鉄の多い重い土です。固く焼き締まり、見た目より重くなります。
この窯は一度、絶えかけました。二十世紀の初めには焼締めを買う人がほとんどいなくなり、瓦と土管の仕事だけが残っていた。金重陶陽が桃山の備前に立ち返って作風を建て直し、昭和三十一年に人間国宝となります。以後、備前からは五人が同じ認定を受けました。
備前の器はビールの泡が長くもつ、と岡山では言います。本当かどうかは、たいした問題ではありません。八百年つくりつづけてきた町が自分の焼き物について言う言葉とは、そういうものです。





伊部は、家並みのあいだに窯の煙突が立つ小さな町です。焼成の季節には、駅を降りたところから薪の匂いがします。土は町のまわりの田の下から掘る、鉄の多い重い土。何年も寝かせてから、ようやく挽きます。
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