柑橘、りんご、梨、いちご、南国の果実まで。日本各地の素材を、京都の工房でゆっくりと乾かす。加えるのは、ただ時間だけ。

徳島の柚子。愛媛の柑橘。信州の果実、京都の果実。土地ごとに異なる空気と気候が、それぞれの輪郭をつくる。このシリーズにおいて、日本は仕立てだけでなく、そのまま風味の起点でもある。

薄く、あるいは細く。低温で、ゆっくりと。砂糖は加えない。余計なものも加えない。水分だけが抜けていく。残るのは、果実がもともと持っていた甘さと酸味。静かに、凝縮されていく。

明るい酸のコーヒーに、柑橘の一片。深い余韻のカップに、果実のひと口。一口、一片。時間の流れが、少しだけ緩やかになる。